型番が分からなくても相談先を判断できる入口を作る
購買担当者が最初から自社の製品名を検索するとは限りません。「薄い部材を傷付けずに固定したい」「組み付け後の段差を確認したい」といった工程上の課題から候補を探す場合もあります。用途別ページでは、まず何を対象に、どの場面で、何を改善したいのかを短く示します。
ここで必要なのは会社全体の強みを並べることではなく、読者が自分の案件と照合できる情報です。対象物、前後の工程、使用環境を説明し、対応できない条件や追加確認が必要な点も添えます。製品仕様を読む前の選定を助ける役割として、既存の製品ページと組み合わせてください。
営業の相談記録から、独立して説明できる課題を選ぶ
候補は営業メールや技術相談の記録から集めます。顧客名を公開原稿に移す前に匿名化し、質問、対象物、選定条件、紹介した製品を整理します。異なる案件でも同じ説明をしているなら、一つのページで共通部分を伝えられます。反対に、条件が違うと提案が変わるなら、その違いが見出しの候補です。
KEYENCEの自動車製造向け公式ページでは、業界の中をシーラント、溶接、段差などの対象に分けて案内しています。参考にできるのは、広い業界名から具体的な工程へ進める構造です。他社の用途、対応性能、写真を自社の実績として転用する根拠にはなりません。
- KEYENCE:自動車製造での測定センサの用途(英語)
業界内の工程・測定対象で入口を分ける公式サイトの実例。
用途ページの原稿は、この六項目を埋めてから書く
以下はページ企画用のワークシートです。項目を埋める資料がない場合は、技術担当に確認してから原稿化します。「幅広く対応」などの表現だけで埋めず、何が分かれば候補を絞れるのかを残してください。
たとえば固定工程を扱うなら、部材の条件、接触してよい面、工程で求めることを先に確認します。ここで例示するのは質問の組み立て方であり、特定の材料や装置への技術提案ではありません。
| 項目 | 記入する内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 課題 | 買い手が解決したい工程上の問題 | 営業の相談記録 |
| 対象 | 対象物・材料・工程の位置付け | 技術担当 |
| 成立条件 | 適用できる環境と必要な前提 | 承認済み仕様 |
| 選定分岐 | どの条件で候補が変わるか | 製品担当 |
| 根拠 | 公開できる写真・試験・図の識別情報 | 資料管理者 |
| 次の行動 | 参照する製品と相談時に必要な情報 | 営業・Web担当 |
- 記入用ワークシートをダウンロード(CSV)
自社の資料に合わせて編集するための表です。記入例は実測値や顧客事例ではありません。
用途、製品、事例の説明を重ねすぎない
用途ページには課題の捉え方と選定の分岐を、製品ページには正式な型番と仕様を置きます。実施済み案件を掲載する事例ページがあれば、どの条件で何を行ったかをそちらで説明します。用途ページからリンクする際は、「関連製品」だけでなく、何を確認できるページかが分かる名称にします。
同じ製品が複数の用途に関わるときも、仕様表を各ページへ丸ごと複製する必要はありません。用途固有の確認点だけを書き、正式仕様へ案内すれば更新箇所を把握しやすくなります。業界名を変えても本文の説明が変わらない候補は、まとめたページ内の節で十分かを検討してください。
確認可能な説明を用意し、相談の条件を引き継ぐ
図や写真には何を示すものか、実機なのか模式図なのかを記載します。公開可能な試験がある場合も、実施条件を省いて別用途への性能保証に見える文章へ変えないようにします。Googleの有用なコンテンツに関する資料は、独自の情報や根拠の明確さを点検する参考になります。これは特定の用途ページの順位を保証するものではありません。
問い合わせへの導線には、その用途について確認したい情報を添えます。対象物や工程を短く説明でき、必要なときに個別資料の受け渡し方法へ進める構成が実用的です。内部資料を最初から全部要求するより、相談を始めるために必要な最小項目を技術担当と決めます。
- Google:有用で信頼できるコンテンツ(英語)
独自情報、明確な根拠、読者の目的に照らした自己点検。
一つの課題で、読む人と運用する人の両方に試してもらう
公開前は製品名を伝えずに、対象用途から候補を探す作業を社内の別部署に試してもらいます。対象外の製品へ進む、仕様ページへのリンクに気付かない、問い合わせに必要な情報が分からない場合は説明を修正します。検索用の語句を増やす前に、この選定作業を完了できるか確認してください。
公開後は、そのページが相談時に参照されたか、どの条件について追加説明が必要だったかを記録します。まだ実績がない用途は実績として表示せず、対応可否を確認する相談ページとして扱います。サイト制作を依頼するときは、この一枚の企画表を渡すと、用途と製品を結ぶ範囲を具体的に相談できます。
参考資料と適用範囲
- KEYENCE:自動車製造向け測定センサー(英語)keyence.com
業界から具体的な工程・測定対象へ進む構造を確認。性能や成果の根拠としては使用していません。
- Google:有用で信頼できる、ユーザー第一のコンテンツ(英語)developers.google.com
独自性、根拠、対象読者への実用性を確認するための原典。
FAQ
よくある質問
用途ページと製品ページは両方必要ですか?
製品名を知らない買い手に別の入口が必要で、用途固有の説明を用意できるなら有効な構成です。同じ文章になる場合は製品ページ内の用途説明から始めます。
業界ごとに同じページを複製してもよいですか?
対象工程、条件、根拠、紹介製品の違いを説明できるか確認します。業界名しか変わらない場合は、独立ページを増やす前に統合を検討してください。
事例がまだない用途も掲載できますか?
確認済みの対応範囲や相談手順は掲載できます。ただし、可能性の説明と実施済みの実績を区別し、未検証の効果や採用実績は書きません。
