単純英訳で起きやすい3つのずれ
架空の製品ページで「標準品・短納期対応」を英訳するとします。英文を書く前に、対象モデル、公開できる納期条件、数量、確認担当者を揃えます。条件が未確認なら「即納」と強めず、見積もり時の確認事項を示します。これは翻訳判断の例であり、実際の製品条件ではありません。
デザインでも、日本語の短い見出しを英語にすると折り返しが増え、画像の中の文字、表、ボタン、フォームが読みにくくなる場合があります。翻訳を最後の工程にせず、構成とデザインの段階から言語差を確認します。
海外の読者が最初に理解したいこと
トップページで優先するのは、会社の抽象的な理念より、提供できる製品・サービス、対象業界・用途、選ぶ理由、次の行動です。特にB2Bでは、仕様、供給能力、品質、対応地域、OEM・ODMの可否などを早い段階で確認できるようにします。
会社紹介では、沿革だけでなく、所在地、製造・提供体制、対応言語、品質管理、公開できる認証、問い合わせ担当を明確にします。初対面の読者が『この会社に相談してよいか』を判断できる材料が必要です。
- 対象読者とその役割を明記する
- 製品・サービスの用途と対象業界を最初に示す
- 日本固有の表現には短い説明を付ける
- 単位、規格、日付、通貨、連絡方法を確認する
- 英語の問い合わせ後に誰が返信するかを決める
英文コピーは「自然な意訳」だけで判断しない
英語の見出しは、単語を直訳するより、読者がページで得られる情報や利点を示す方が分かりやすい場合があります。ただし、性能、認証、納期、価格、法的表現などは、魅力的に言い換える前に事実と承認範囲を確認します。
用語集、製品名、禁止表現、既存の英文資料をまとめ、翻訳者・コピー担当・社内確認者が同じ基準を使えるようにします。ページごとに異なる訳語が増えると、検索だけでなく営業資料としての信頼性にも影響します。
写真、図表、UIもローカライズする
工場写真、製品の使用場面、人物、図解、画面内のラベルは、英語本文だけを差し替えても読みにくいことがあります。海外の買い手に見せたい設備・製品・用途が明確に写っているか、画像利用許可があるかを確認します。
表やダウンロード資料は、スマートフォンで読めるか、単位が統一されているか、PDFだけに重要情報を閉じ込めていないかを確認します。必要な仕様やFAQはHTMLでも用意すると、閲覧と更新がしやすくなります。
公開前に日英ページを一緒に確認する
日本語版と英語版のページ対応、URL、言語切り替え、ページタイトル、説明文、フォーム、メール通知、PDFリンクを一覧で確認します。英語ページだけ古い会社情報が残る状態を防ぐため、各言語の更新責任者も決めます。
ローカライズは一回で終わる作業ではありません。営業担当が海外顧客から受けた質問、展示会で使った説明、検索で見つけにくかった製品名を収集し、優先ページから改善します。
参考資料と適用範囲
- Google:ページのローカライズ版developers.google.com
言語別URLと相互のhreflang指定の根拠です。検索順位を保証するものではありません。
FAQ
よくある質問
英語ネイティブが確認すれば十分ですか?
自然な英語の確認は重要ですが、製品・技術・商取引の事実を確認する担当者も必要です。対象市場の読者が理解しやすい構成やUIも別途検討します。
機械翻訳を使ってもよいですか?
下書きや社内確認の補助として使う方法はあります。ただし公開前に、意味、専門用語、数値、商標、法的表現、対象読者に合う伝え方を人が確認する工程を設けます。
英語版は日本語版と同じページ数にすべきですか?
必ずしも同じである必要はありません。海外の読者が必要とする情報を優先し、国内だけに必要なページは分けます。ただし対応する主要ページは、言語切り替えで迷わないようにします。
ローカライズ後は誰が更新しますか?
日本語の原稿責任者、英語の確認者、CMSの公開担当を事前に決めます。製品情報や法的表現が変わる場合は、両言語の更新フローを用意します。
